沈香(じんこう)で作る雅な香りのお線香

まもなくお盆がやってきます。
今回は、沈香(じんこう)を使って、お香のひとつであるお線香を作りましょう。

沈香(じんこう)とは

沈香とは、別名アガーウッドとも呼ばれており、インドや東南アジアに 分布するジンチョウゲ科の香木で、樹木の皮が熟成されてできた樹脂のことです。

香料としてだけでなく薬用としても古くから知られています。

沈香の中でも最高級のものが伽羅(きゃら)と呼ばれています。

沈香は熱を加えることで、独特のとてもよい香りがします。

この香りは、プレッシャーや緊張感を緩和し、リラックス効果があるとされています。

天然の沈香(じんこう)の香りのお線香は、白檀と並んでとても高価なものです。

お線香の作り方

1.沈香、白檀、その他の好みの香原料を一種類ずつ加え香りを確認しながら、混ぜ合わせていきます。
2.練り合せただけの時と熱を加えた時とは香りが異なるので、少量をスプーンにすくって火をつけて香りを確認しながら加えていきます。
3.好みの香りが出来上がったら、タブ粉と水を加え、耳たぶ位の柔らかさに練ります。
4.今回は、スティック型に練り固め、細く切れてしまったものはコーン型に固めて使用します。
5.数日乾燥させ、色が変わったら使用できます。


最初から、複数の天然香原料を混ぜあわせた袋入りのものも売っていますが、手作りの良さは何といってもひとつひとつの香りを聞きながら、お気に入りの自分だけの香りを作れることです。

香りを感じながら、癒されながら作っていると、室内の空気も浄化されて穏やかな気持ちになります。

沈香(じんこう)の香りは、華やかではないけれど奥ゆかしい優雅な、まさに「雅な香り」と言えます。

日本ではお盆に、ご先祖様が帰ってくるとされ、おもてなしにお供えをしますが、お供え物は「五供(ごく)」と言われて、お香、お花、ロウソク、水、菓子の五つです。

お盆の習慣を大切にする京都では、各家庭で精進料理を作り、水、菓子、お花を飾り、普段よりも少し高価なお線香とロウソクをたてて、ご先祖様をお迎えします。

今年のお盆には、沈香(じんこう)をたっぷり使用した手作りのお線香を焚いて、ご先祖様をお迎えすることにしましょう。

 

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