貴族が愛した雅な香り│練香(煉香)を作りしましょう

今回はお香の中でも、練香(煉香)と呼ばれるお香を作ります。
アロマセラピストでもある私が普段生活に取り入れているアロマテラピーは華やかな香り。

それに対して、お香は白檀や沈香などが使われているため、落ち着いた奥ゆかしい雅な香りという表現がぴったりです。

お香のタイプ

お香の中には大きく分けて3つのタイプがあります。
日常生活で、用途によって使い分けられています。

1.常温で香るタイプ……匂い袋、防虫香、塗香、文香(便箋、封筒、栞、名刺)など
2.熱で温めて香るタイプ……練香(煉香)、印香など
3.直接火をつけて香るタイプ……お線香(スティック型、円錐形、渦巻き型)、塗香など

練香(煉香)とは

今回は温めて香るタイプの練香(煉香)を作ります。
練香(煉香)とは何でしょう?

練香(煉香)は、香原料と炭粉、ハチミツなどを調合して練り合わせ、小さく丸めたお香です。

灰の入った香炉に炭を埋めて温まったところに練香(煉香)置き、間接的に温めて香りを楽しみます。

源氏物語の中では「薫物(たきもの)」と紹介されていますが、平安時代には貴族がたしなみとして、お部屋や衣服にその香りを薫き染めました。

それが現代の香水へと繋がってくるのです。

一人ひとりが自分自身の香りを持っている、個性や教養、センスをアピールできるとても素敵な優雅な時代だったんですね。

練香(煉香)の作り方

今回は、沈香と老山白檀を中心とした、古典的な雅な香りをテーマに作ってみます。

【材料(香源)】
★香原料粉末タイプ
沈香、零陵香、薫陸、大茴香、白檀、山奈、龍脳、丁字、桂皮、貝甲香、甘松、蘇合香、かっ香、青木香、乳香
麝香エキス、ハチミツ、炭粉

【道具】
乳鉢、乳房、スプーン、ヘラ
ウェット、ゴミ袋

1.乳鉢に香原料を1種類ずつ入れて乳棒で香料を混ぜ合わせていき、自分自身の好みになるように調合していきます。
2.香料の調合ができたら、炭粉を加え混ぜ合わせます。
3.最後にハチミツを少しずつ加え、混ぜあわせて乳棒でよく練り、まとまりやすいようにまとめます。
4.少量を手に取り指先でまとめていき、手の平で丸めます。
5.できあがったら乾燥しないように密封容器に入れ、3ヶ月くらい熟成させてから使用します。
最近では、シナモン(桂皮)やクローブ(丁子)、花の香りのお香など、色々な香りのお香があるのも特徴です。

お茶席や華道のお席、呉服屋さんでは、お香を取り入れているところが多く見られます。

季節によって、気候によって、シチュエーションによって、その場にふさわしい香りを取り入れることができるお香。

日々の仕事や日々の生活におわれストレスも多い昨今、お香の香りは心を和ませ、リラックスさせてくれます。

自分にふさわしい心地よい香りを見つけて、お香のある暮らしを取り入れてみませんか。

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