エリザベス女王を悼む

エリザベス女王の国葬が、2022年9月19日イギリスロンドンのウエストミンスター寺院で行われました。

イギリスで暮らした経験のある私としては、テレビ画面から映し出されるイギリスの美しい街並みと、歴史・文化、エリザベス女王の国民への愛と国民からの女王への愛の深さに改めて触れ、心揺さぶれるようなとても感慨深い思いで、厳かな国葬の様子を見ていました。

イギリスで暮らしていた間、何度かエリザべス女王をお見かけする機会がありましたが、本当に美しく、品のある、時に可愛らしく、時に威厳のある心の深いとても素敵な方でした。

ウエストミンスター寺院からバッキンガム宮殿を通り過ぎ、ウェリントンアーチまで続く厳かなひつぎの行進の様子に、沿道に集まっている人々と共に祈らずにはいられませんでした。

エリザベス女王が愛した花々

エリザベス女王の国葬でもっとも釘付けになったのは、日ごとに異なるひつぎの上に飾られている花々(リース)でした。
花々を愛したエリザベス女王らしい姿がここにもありました。

スコットランドのバルモラル城からエディンバラへの車列では、バルモラル城で摘み取った女王お気に入りのヘザー、ダリア、スィートピー、フロックス、ホワイトヘザー、エリンギウムなどをあしらった白いリースが飾られていました。

また、バッキンガム宮殿からウェストミンスター寺院までの行進では、ひつぎの上のリースに、バルモラル城のパイン松とウインザー城のラベンダー、白いバラ、ダリア、トベラ、ローズマリーなどが使われていました。

さらにウェストミンスター寺院からウィンザー城への行進では、ひつぎの上に色鮮やかな花々が飾られていました。

ピンクのイングリッシュローズ、ダリア、アジサイ、ラベンダー、イングリッシュオーク、ローズマリー、セダム、スカビオサ、マートルなど。

結婚式から始まった「マートル」

ヨーロッパでは、花嫁がブーケに「マートル」の花や小枝を取り入れ身に着ける風習があります。

今回の葬儀に使われていた「マートル」は、エリザベス女王が結婚した時のブーケからの小枝を植えて、大切に育てられたものだといわれています。

マートルの花言葉は、「結婚の象徴、愛」。

今回のリースは、チャールズ新国王の提案で、お城のイングリッシュガーデンからエリザベス女王が愛した花々で作られたそうです。

このマートルは、キャサリン妃のウェディングブーケにも、メーガン妃のブーケにも使われていました。

エリザベス女王の結婚式から始まり、生涯を閉じる際にも使われたマートルは、今後もイギリス王室で大切にされていくことでしょう。

エリザベス女王の愛したバラの花言葉は、「愛、真実、尊敬、純潔」
エリザベス女王の愛した花々の花言葉については、こちらの記事に紹介しています。

次回イギリスを訪れた際には、ぜひウィンザー城に出向き、女王の生涯に敬意を示したいと思います。

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