唐辛子の基礎知識と効能

~唐辛子~

学    名:capsicum annuum 
科    名:ナス科
別名:チリペッパー、チリ、カイエンペッパー、鷹の爪
利用部位:果実、葉
種類:一年草(こぼれ種で翌年も開花することもある)
原産地:中南米
主な成分:カプサイシン、ベータ―カロテン、ビタミンA・B・C・E、カリウム、マグネシウム、カルシウム
作  用:血行促進、冷え性改善、夏バテ防止、防虫効果

◇ 適応力の強い植物で熱帯から温帯の地域まで風土や気候に順応し様々な種類が生れ、品種は3,000種類以上と言われています。果実の内部には数十個の種が含まれている。

ポルトガルや朝鮮から日本に渡来

◇ 唐辛子は紀元前からアメリカ大陸で使用されていました。世界中に広がるきっかけになったのは15世紀末にコロンブスがアメリカ大陸を発見、その後ヨーロッパに唐辛子が持ち込まれ料理法が紹介されました。その後数百年の間世界中で愛用され、様々なお料理でなくてはならないスパイスとなっています。

◇ 南米からヨーロッパ、その後日本に入ってきました。日本への伝来は、16世紀末に豊臣秀吉が征韓の役を起こした際に、加藤清正が持ち帰ったという説と、16世紀半ばに種子島に漂着したボルトガル船によって持ち込まれたという説、17世紀初めにタバコと共にポルトガルから伝わったという説など、所説あります。

唐辛子の特徴

◇唐辛子特有の辛み成分は“カプサイシン”で、代謝を促し体の中のエネルギーを燃やすことで体温が上がり体がポカポカ温まります。
血行がよくなることで頭から足の先まで栄養がいきわたり冬には冷え性の改善、免疫機能を上げる、夏は汗をかくことで体温を下げで涼しく感じさせてくれます。

◇辛み成分のカプサイシンは、水には溶けないが油、酢、アルコールにはよく溶けます。熱に強く、砕いても、パウダーにしても辛味は変わりません。

世界中で愛用されている代表的な唐辛子の種類

鷹の爪…日本産。小ぶりでヒリヒリする辛味が特徴。漬物や酢の物に使用。
天鷹唐辛子…中国で栽培されている唐辛子。マーボ豆腐など四川料理に使用。
韓国産唐辛子…細長い形。辛味は少なく甘みと酸味があるのが特徴。キムチ、韓国料理に欠かせない。
ハバネロ…激辛唐辛子の草分け、ベル型で柑橘系のフルーティーな香りがある。メキシコ料理に使用。
ハラペーニョ…メキシコを代表する青唐辛子。辛さは中程度でメキシコ料理に使われる。
タバスコペッパー…小ぶりで丸みがあり、タバスコの原料となる。
島唐辛子…日本の九州から沖縄にかけて栽培されている。泡盛に付け込んだコーレーグースは沖縄名産品。
リッキーヌ…タイの激辛唐辛子。トムヤンクンやグリーンカレーに使われる。2・3cmの小さな実だが非常に辛い唐辛子。

◇世界中に様々な料理の辛味付けにもちいられる唐辛子を使ったミックススパイス、加工食品があります。
スープ、パスタ、ソース、チリパウダー、ガラムマサラ、カレー粉、チリソース、ラー油。日本では七味唐辛子が、漬物や焼き物、煮込み料理などに使われています。

食品以外の使用方法

◇入浴剤として使用。浴槽に入れること体を温め、発汗を促します。
◇米びつに唐辛子月桂樹とともに入れておくとお米の保存に防虫効果を発揮します。
◇ネズミやゴキブリなどの忌避剤として使用されています。
◇護身用として崔涙スプレーにも使用されます。

【注意】
唐辛子は種類により、辛味の強さが違うため使用料に気をつけること。
辛さは痛みとして感じるため無理をして唐辛子を食べ過ぎると、粘膜や胃腸に刺激を与え傷つけることがある。特に顔や目に触れないよう要注意。

関連記事