20 Dec 2020

今回は古くからヨーロッパでクリスマスのお守りとしクリスマスツリーにも飾られてきたオレンジや姫リンゴとクローブを使って、クリスマスに幸運を呼ぶ「オレンジポマンダー」を作りましょう。
オレンジポマンダーとは?
私が住んでいたイギリスではクリスマスになると、各家庭でリースなどと一緒にオレンジや姫リンゴとクローブを使ってフルーツポマンダーを作ります。
店頭でもいろいろなデザインのオレンジポマンダーが販売されているので、購入してクリスマスツリーに飾る人たちも多くいます。
ポマンダーとは「香り玉」を意味し、ヨーロッパではクリスマスのお守りとして飾られてきました。
イギリスでのポマンダーの歴史は古く、エリザベス朝時代にさかのぼります。
当時流行していたペストから身を守るために、細かい穴の空いた金属製の容器に抗酸化作用のある香料を入れて貴族たちが魔除けとしてポマンダーを身につけていたと言われています。
その後手に入りやすいオレンジや姫リンゴとクローブを使って作るようになり、現在ではクリスマスの魔除けとしてオレンジポマンダーが作られています。
私にとってオレンジポマンダーは、クリスマスの香りでもあるのです。
クローブの効能
クローブという名前は、フランス語で釘を意味する「クルウ(クロウ)」からきています。
日本ではシルクロードを渡って中国から奉納され奈良の正倉院に薬物として保存されていました。
また薬としてだけでなく、平安時代には武士の香道で使用され兜に香りをしたためたとも言われています。
香りの代表的な成分は、「オイゲノール」で酸化防止や防腐作用があります。
抗菌・抗酸化作用にすぐれており、中世のヨーロッパではペスト予防のポマンダーに使われてきました。
シャープでスパイシーな香りで、ヒノキや白檀のブレンドによく合います。
オレンジポマンダーの作り方
〈材料〉
オレンジ
クローブのホール
シナモンパウダーやオリスルートパウダー、オールスパイスなどのミックスパウダー
・竹串
・細めのテープ
・リボン
・紙袋
〈作り方〉
1.オレンジに十字にテープを貼ります。(できあがったらリボンを結ぶため)
2.デザインを考えてクローブを刺していきます。
3.クローブを刺したオレンジを袋の中に入れて、シナモンパウダーやミックスパウダーをいれて全体に混ぜ合わせます。
4.できあがったら、テープを剥がしてリボンを十字に結びます。
5.3~4週間位熟成させることで、水分が抜けて固く軽くなり、香りも落ち着いた豊かな深い香りのポマンダーができあがります。
昨年のものも3・4年前のものもありますが、腐ることなく香りがとてもいい状態で残っています。
クローブの刺し方やリボンを変えることで、かわいい様々なデザインのオレンジポマンダーができあがります。
たくさん作ってクリスマスツリーやリースに飾ったり、キッチンの虫除けや消臭剤として、玄関や軒先のリースとして吊り下げたり窓辺や壁をデコレーションしてみてはいかがでしょう。
また、この時期はもみの木や杉の木、松ぼっくり、シナモンやユーカリ、乾燥させたオレンジの輪切りなどと飾り付けて、テーブルに飾るととても可愛いですね。
クリスマスの時期が過ぎたら、クローゼットの防虫・消臭剤として使用できます。
クリスマスに幸運を呼ぶ「オレンジポマンダー」、ぜひ手作りしてみてはいかがでしょう。