ローズマリー伝説

ローズマリーは、伝説に事欠かないハーブです。
語源的には、ラテン語のRosimarines(海のしずく)がなまって英語のRoscimarine(海のバラ)、更にRoseimary(マリアのバラ)になったと言われています。

ローズマリーは花の形から「海の雫」というロマンチックな属名もあります。
花言葉は「想い出」や「追憶」。

聖母マリアが幼いイエスを抱いて旅していた時、ひと休みして、そばにある木に着ていた青いマントをかけたところ、それまで白い花が咲いていたローズマリーの木に、それ以後青い花が咲くようになったという「ローズマリー伝説」が残されています。

また、ハンガリーのエリザベート女王が70歳を超え、肌荒れ、リウマチも患っていたが、ローズマリーが主成分である化粧水を毎日使っていたところ、肌は若さを取り戻し、手足の痛みもおさまり、ポーランドの若い王子様から求婚されたというエピソードも残っています。
これは、現在「ハンガリー・ウォーター」と呼ばれるているものです。

ヨーロッパでは古くから魔よけのハーブとして、伝統的な祭祀や儀式に使われていて、日曜日に教会に出かけるときに手に持つタッジー・マッジーの中には、必ずローズマリーが使われていたそうです。

古代ローマやギリシャでは”勉強をするときには ローズマリー の 花環をかぶった ”とも言われています。
ローズマリーに含まれている成分に記憶力を高める働きがあることを、当時の人達は暮らしの中で気づいていたのでしょう。

シェイクスピアの中のローズマリー

 『There’s rosemary, that’s for remembrance; pray you, love, remember.』
「これはローズマリー、ものを忘れぬようにする花よ。ね、お願い愛しいあなた、私を忘れないでね。」
出展:『ハムレット』(第4幕第5場)HAMLET (Act 4, Scene 5)

など、シェイクスピアの物語でも、 ローズマリー は「愛・結婚」「記憶・想い出」 の象徴として、『ロミオとジュリエット』『ハムレット』『冬物語』等たくさんの作品の中で大活躍していいます。

この機会に、シェイクスピアの作品の中でローズマリーでに出会ってみるというのはいかがでしょう?

暮らしの中のローズマリー

我が家のべランダハーブガーデンでは、ローズマリにお花が咲いています。
淡い紫の小さなとても可愛い花です。

木立性と、ほふく性、半ほふく性など種類の違ったローズマリーが全部で4種類あるのですが、さらに今回店舗で見つけた新しいローズマリーの苗を購入して鉢植えにしました。

ローズマリーは私の大好きなハーブのひとつです。
葉には、ちょっと樟脳に似た(でも樟脳よりもっとさわやか)独特の香りがあります。

手についた香りはいつまでも残っていて、目を閉じてその香りをかぐと、何というか体験したことのない、はるか昔の記憶にたどり着くような不思議な感じがします。

古くから強壮、健胃、血行促進などの薬効が知られ、また最近は若返りのハーブとしても注目を集めていますが、ツーンとした独特の強い芳香があり、葉を触るといつまでも手にその香りが残っています。

ローズマリーをお料理にもおすすめ

私はこのローズマリーが大好きで、お茶はもちろん、ローズマリーをお酢につけて作ったリンスは髪がさらさらになります。
ローズマリーオイルは、魚料理や肉料理の香り付け、ドレッシングなどを作るときなどにもとても重宝します。

お花が満開の時は、小さな花を摘み乾燥させて、お砂糖の中に入れたり紅茶に浮かべたりして香りを楽しむこともできます。
また、私のお気に入りは白いワインにローズマリーを漬けこんだローズマリーワインです。
薬用酒として食前酒にしたり、寝つかれないときにもおすすめです。

ローズマリーのブライダルベール

最近では、ローズマリーはブライダルブーケにも使われます。
私がプロデュースする「ハーバルウェディング」では、ハーブとお花をアレンジして作るブーケの中に取り入れたり、ローズマリーで冠を作りベールにアレンジしたりして使用します。
ローズマリーのブライダルブーケをまとった花嫁には、香りと花言葉にこめられた想いを感じてほしいと思います。

最近では、お料理に、お茶やスパイスに、化粧品に。
また、観賞用として立性のローズマリーをお庭の生け垣に使用している家も増えてきているようです。風が吹くとローズマリーのとてもいい香りがお庭に漂ってくるのでおすすめです。

最近では、世界中で暮らしの中に根付いているローズマリー。
ぜひ、自分の手で育ててみませんか?

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