良い睡眠をとるためにホルモン “メラトニンとセロトニン”を鍛えましょう

芸術の秋、食欲の秋、行楽の秋、読書の秋。
秋は色々な楽しみがありますが、私にはもう一つ睡眠の秋でもあります。
暖房もクーラーも必要のないこの時期は、一年の中でも一番ぐっすり眠れる季節なのです。

しかし心身の疲れ、特にストレスがたまっていると、その眠りも脅かされてしまいます。
何となく体がだるい、寝ても疲れが取れない、未病と言われるものの中には睡眠の質が影響しているものがあるかもしれません。

睡眠は体を休めるだけではありません。精神的な疲れを回復させるために質・量ともに良い睡眠をとる必要があります。
睡眠が5時間を切ると、お酒を2~3杯飲んだ時と同じ位脳の機能が低下すると言われています。

昼間に睡魔が襲ってきたり、仕事の能率が低下したり、基礎代謝力が落ち食欲がなくなったり、免疫力の低下により風邪などをひきやすくなります。

さらには睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが崩れ、将来的には認知症も発症しやすくなるとも言われています。
以前にテレビの番組でドクターが、認知症発症の目安として夜眠れなくなるという症状がでるという話をされていました。

肉体的な疲労は回復が早いけれど、中枢神経の疲労や精神的ストレスによる疲労は回復が遅いと言われているため、心身の疲労と睡眠不足が続くとホメオシターシス(恒常性)が保てなくなり、病気になりややすい状態になってしまいます。
それくらい私たちにとって、睡眠の質と量は大切なんですね。

睡眠に関わるホルモン

私たちの睡眠にはメラトニンとセロトニンというホルモン物質が大きくかかわっています。
メラトニンは脳の中の松果体というところで合成される脳内ホルモンで睡眠ホルモンとも呼ばれ、夜になると徐々に分泌が多くなっていき基礎体温を下げ眠りへと誘ってくれる働きがあります。

そして、メラトニンの原料となっているのがセロトニン。
朝カーテンを開け太陽の光をしっかり浴びることでサーカディアンリズムがリセットされ活動状態に入ります。

ずっと太陽を見ているということではなく、洗濯物をほしたり、ガーデニングをしたり、外のお掃除をしたりと合計で約30分位朝日を浴びることで活性します。

脳内のセロトニンは、覚醒の状態を調節したり、痛みを調節をしたり、血圧や代謝、心のバランス、自律神経のバランスなどに関与していて、夜のメラトニンがしっかり分泌されるためには、昼間にしっかり太陽の光をあびてセロトニンがたっぷり分泌されることが重要なのです。

また、セロトニン研究者の第一人者である東邦大学医学部統合生理学教授の有田秀穂先生は、その他ウォーキングや呼吸、咀嚼もセロトニンの活性化につながり、室内でのラジオ体操もおすすめだと言っておられます。

季節のいい時期に少し早起きをしてウォーキングをすることは、いい睡眠のためにもおすすめなんですね。さらにヨガや座禅や太極拳などの呼吸法もセロトニンの活性化につながるそうです。

セロトニンの材料は必須アミノ酸のトリプトファン

セラトニンの材料は必須アミノ酸のトリプトファンです。
これは体内では作られないため、食べ物でとる必要があります。

トリプトファンが含まれている食べ物は、豆腐や納豆、味噌、醤油などの大豆食品。チーズヨーグルト、牛乳などの乳製品。卵や胡麻、ピーナツ、バナナなどです。

朝に食べるのがおすすめということですが、有田秀穂先生は“グルーミング”という表現をされていますが、夜にトリプトファンを含む食事をした後に、友人たちとの触れ合いを持つことでストレス解消や癒しにもなり、夜にメラトニンを作り出すことにつながるとのことでした。

そう意味では、仕事の後の親しい友人との食事や、カフェバーや居酒屋さんでチーズなどをおつまみにちょっと一杯というのも時には必要なんですね。

セロトニンは別名 “幸福ホルモン”とも呼ばれていて、好きなことをやっているときや楽しい時、笑顔でいる時、幸せを感じている時に多く分泌されます。

私は夜寝る前の15分位前から、寝室で大好きなラベンダーの精油をディフューザーにセットしています。これもよい睡眠へ誘うための私のルーティンです。

夜はパソコンやスマホ、ゲームなどを手放し、お部屋の照明を落としたお部屋で好きな音楽を聴きながら、ホットミルクで読書の秋というのがいいのではないでしょうか?

良い睡眠をとり、いつまでも元気で若々しくいられるために、メラトニンとセロトニンをしっかり鍛えていきたいですね。

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