9 May 2021
6月~7月頃に旬を迎える赤紫蘇は、古くから食養や漢方でも使われてきた日本の代表的なハーブです。
今回は旬の赤紫蘇で作る夏の風物詩、「赤紫蘇コーディアル」の作り方をご紹介します。
赤紫蘇とは
赤紫蘇はシソ科の植物、シソには大葉と赤紫蘇の2種類あります。
大葉は緑色のギザギザした葉っぱが特徴で一年中スーパーなど買うことができ、お刺身のツマとして欠かせません。
殺菌作用、解毒作用もあるのことから、必ずお刺身やお寿司に添えられていますね。
また大葉はフレッシュだけでなく、巻いて揚げ物にしたり、ちらし寿司や炊き込みご飯などに刻んで入れると、とてもさわやかで美味しく、どんなお料理にも利用できます。
赤紫蘇は6月頃からの初夏にお店に出回り、おもに梅干しを漬けたり、ふりかけに使われたりするので、フレッシュで食べることはありません。
赤紫蘇は栄養価が高い
赤紫蘇はとても栄養価が高いハーブです。
赤い色からもわかるようにベーターカロテンの含有量が大変高くトップクラスです。
特に、多く含まれているα-リノレン酸は私たちの体内で作ることができないため食べ物から摂る必要がある成分。
ぜひ、赤紫蘇からも摂り入れたいですね。
その他、目の疲れに良いとされるアントシアニン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、鉄分などが含まれています。
見た目は小さな葉っぱですが、これからの夏バテ防止に期待できるとても栄養価の高いパワーのある日本のハーブなのです。
コーディアルとは?
コーディアルとは何でしょう?
コーディアルはイギリスの伝統的な飲み物で、アルコールにハーブやお花を漬け込んで成分を抽出した飲み物です。
イギリスではいろいろな種類のハーブコーディアルをお店で買うことができますが、特にエルダーフラワーのコーディアルが有名です。
イギリスでは、エルダーフラワーは「インフルエンザの特効薬」という呼び名もあり、花粉症やアレルギー対策として人気で、一年中紅茶やハーブテイーにくわえて飲んでいる人も多いですね。
最近では、ハーブやお花を煮詰めて、砂糖とハーブビネガーで作るシロップがメジャーとなっています。
煮詰めることでハーブの成分が濃縮され、手軽に体によい成分を摂れると人気になってています。
国内でも、専門店やインターネットで購入することができるようになりました。
赤紫蘇コーディアル
「赤紫蘇コーディアル」は、日本特有のハーブコーディアルです。
大半の日本人はシソの味と香りが大好きだと思うので、ひと口飲むと、きっとさわやかなさっぱりした味に魅了されるでしょう。
赤紫蘇コーディアルの効能
赤紫蘇コーディアルはムシムシとした日本の夏には、とてもおすすめの飲み物です。
1.夏バテ防止に
赤紫蘇独特の香りの主成分は、ペリルアルデヒドという精油成分で50%を占めています。
防腐・殺菌作用が強く、お刺身のツマは解毒作用として、また梅干しも防腐作用としてお弁当に入れられています。
ペリルアルデヒドは香りだけでなく嗅覚も刺激することで、食欲のない時にも胃液を促進、食欲を増進させてくれるので夏バテ防止にぴったりです。
2.花粉症・アレルギー・成人予防に
赤紫蘇やローズマリーに含まれているロズマリン酸というポリフェノールが、抗酸化作用や糖の吸収を抑制する働きがあり、花粉症や鼻炎アレルギーによいと言われています。
炭水化物ダイエットにも期待できます。
シソ油やエゴ油に多く含まれるα-リノレン酸は体内に入ると、n-3系多価不飽和脂肪酸グループのEPA、DHAに変換されます。
血液サラサラ、コレステロール軽減、コレステロールを下げる働きがあると言われています。
青魚にたくさん含まれているα-リノレン酸ですが、毎日青魚を食べるよりも手軽に摂ることができます。
また多く含まれるベーターカロテンには強い抗酸化作用があり、老化防止、粘膜強化、美肌効果も期待できます。
3.疲れ目、視力向上に
ブルーベリーに含まれている成分として知られているアントシアニンというポルフェノールは抗酸化作用が強く、網膜や目の神経、血流を促し眼精疲労を軽減させるといわれていますが、赤紫蘇にも豊富に含まれています。
赤紫蘇コーディアルの作り方
[材料]
・赤紫蘇の葉……300g
・青紫蘇……3~4枚
・砂糖……600g
・レモン汁……少々
・リンゴ酢かワインビネガー……200cc
・水……1.8L
[作り方]
1.赤紫蘇の葉を水でよく洗う。
2.鍋に水を入れ沸かし、赤紫蘇の葉を入れて沸騰させる。
3.全体が浸かるようにして、今回はコーディアルを作るので、少し長めに7・8分くらい煮詰めます。
4.アクは取り除きます。
5.ザルに上げて葉を取り除き、鍋に残したエキスに砂糖を加え混ぜ合わせます。
6.粗熱が冷めたらレモン汁を加えるときれいなピンク色になります。
7.ガラスの保存瓶を熱湯消毒し、赤シソ紫蘇コーディアルを移し替え冷蔵庫で保存します。
※コーディアルは煮詰めて濃縮にしシロップに近くなっているので、冷蔵庫で6ヶ月位保存できます。
ジュースの場合は、水分が多いので1ヶ月位以内で飲み切ることをおすすめします。
煮詰めたあとの赤紫蘇の葉にもまだまだ栄養はあります。
捨てずに、乾燥させてパリパリにしたらお塩や胡麻、大根の乾燥葉などと合わせて、ふりかけにして食べるようにすると、栄養をまるごと摂ることができます。
赤紫蘇コーディアルのアレンジ
「赤紫蘇コーディアル」はシロップ状なので、冷たい水でジュースにしてレモンをしぼったり、炭酸で割って飲んだり、ヨーグルトやアイスクリーム、パンケーキにかけたりといろいろアレンジができます。
これからの季節、夏バテ防止や疲労回復、食欲増進、ダイエット効果などに、見た目も味も香りもさわやかな「赤紫蘇コーディアル」はピッタリです。
簡単手軽に作れるので、ぜひお試しください。